先日、サッカーをしている中学生の保護者の方から、こんなお話を聞きました。
「うちの子、自己肯定感が高すぎるというか……。うまくいかないこともあるし、いろいろ言われてモヤモヤしているはずなのに、自己肯定感が高そうな発言ばかりするんです。笑」
「本当はどんな気持ちなのかな、と気になることがあります。」
親からすると、「え?大丈夫?」「もう少し考えてほしいな。」と思うこともありますよね。
子どもの強い言葉に隠れているもの
でも、その強い言葉が本当の自信なのか、あるいは自分の弱さを見せたくなくて強がっているのか。もしかしたら、不安や悔しさを隠しているのかもしれない。本人にしか分からないこともあります。
だからこそ、子どもの言葉をすぐに否定するのではなく、まずはそのまま受け止めてみる。
「こんな練習、簡単だ!」
→「そうなんだ。その練習、簡単なんだね。」
「全然大丈夫!」
→「全然大丈夫なんだね。」
「完璧、完璧!」
→「完璧なんだね。」
「あなたはそう思っているんだね。」
と受け止める。
そうすると、本人が自分の言葉を自分で聞き、考えるきっかけになるかもしれません。
「大丈夫!」「できる!」という言葉が、必ずしも自己肯定感の高さを表しているとは限りません。
本当に大切なのは、強い言葉を言えることではなく、
「できないかもしれない」
「失敗するかもしれない」
と思いながらも、それでも「やってみよう」と思えることです。
自己肯定感と自己効力感の違い
そして、ここで大切にしたいのが、自己肯定感と自己効力感は少し違うということ。
自己肯定感は、できる自分も、できない自分も含めて、自分の存在やあり方を肯定し、受け入れる感覚。
一方、自己効力感は、心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、「この課題・状況に対して、自分ならできる」という見込みを指します。
つまり、
「私は私でいい」=自己肯定感
「私ならやれるかもしれない」=自己効力感
です。
「やってみよう」と思える力を育てる
スポーツでは、この「自分ならできるかもしれない。やってみよう」と思える自己効力感がとても大切になってきます。強い言葉の奥にこの気持ちはあるでしょうか。
「絶対できる!」と思えることだけが自信ではありません。
「できないかもしれない。失敗するかもしれない。」
それでも、「やってみよう。」
うまくいかなかったら、「じゃあ、次はどうしよう?」
そうやって自分で考え、また一歩進める。
「やってみた」
「できた」
「工夫した」
「また挑戦した」
そんな経験の積み重ねが、「自分ならやれるかもしれない」という自己効力感につながっていくのだと思います。
親としては、「もう少し考えてほしい」「そろそろきづいてほしい」と思うこともありますよね。
でも、すぐに答えを教えるのではなく、「この子は今、どんな気持ちでこの言葉を言っているんだろう?」と、少しだけ視点を変えてみる。
子どもの本当の気持ちは、私たち大人にもわからないことがあります。
だからこそ、決めつけず、急がず、見守る。
そして、いつか、
「自分はどうしたい?」
「今、本当にやるべきことは何?」
と、自分で目の前の課題と向き合えるようになったらいいですね。
実は、今も向き合っているのかもしれません。

